とある弁護士の読書ブログ

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【書評】バレット博士の脳科学教室 7 1/2章

 さて,本日は,「バレット博士の脳科学教室 7 1/2章」リサ・フェルドマン・バレット (著), 高橋洋 (翻訳)をご紹介します。


 本書は脳科学についての入門的な位置づけでありつつ,最先端の脳科学に関する知見を,きわめて平易な言葉で解説してくれている本です。
 我々が都市伝説的に信じ込んでいる脳科学,人間の脳は3つに分けることができ,爬虫類脳は「生存を司る脳」(27頁),大脳辺縁系は「感情を司る脳」(同頁),大脳皮質は「思考を司る脳」(同頁)と分かれているといった考えを真っ向から否定し,改めて今日の脳科学における脳のとらえ方,脳科学から見た子育ての方法,脳科学に基づくと,我々の行動はいかに決定されるのか,我々が行動を変えるためにはどのようにすればよいのか,現代社会の制度と脳の関係等,極めて興味深くかつ身近な例を使って解説をしてくれるものです。
 最新の脳科学に関する知見を手に入れた上で,さらに,自身の行動を見つめなおすきっかけになる本ではないかと思います。
 語り口も予備知識ゼロの素人でも読んで書いてある内容を理解することができるといった記述になっているので,脳科学に興味を持たれた方は一読されるのが良いのではないかと思います。
 私としては再読の価値がある本(基本的に再読の価値がある本しか紹介してないのですが(笑))だと思います。


 ちなみに,この本を読んで,本格的に脳科学を学びたいという方は,情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 リサ・フェルドマン・バレット (著), 高橋洋 (翻訳)もお勧めされています。


 ではまた。