とある弁護士の読書ブログ

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【書評】読書とは他二篇 (岩波文庫) 文庫

 「読書について 他二篇 (岩波文庫) 文庫 – 1983/7/1ショウペンハウエル (著), Arthur Schopenhauer (原著), 斎藤 忍随 (翻訳)」


 
 この本は,タイトルの通り,「読書について」の著者の考え方をまとめたものです。
 結論から言うと,この本は,読書好きであれば絶対に読むべき1冊といえます。
 ざっくり言うと,「読書」の概念が破壊される,文章を書くことが多い人は背筋を伸ばさないといけないと思わされる,そんな1冊だと思います。

  

   さて,この本,タイトルからすれば,読書を勧め,具体的な読書方法を読者に伝えるハウツー本のように思えます。

 しかし,この本ではいきなり「読書とは、他人の思想の後追いに過ぎないものであり、真の思索ほどの価値はない」ということを伝えています(2頁以下)。


 とはいえ,この本は読書を全否定しているわけではなく,あくまでも,読書は,思索という目的の手段と考えるべきであると主張しています。また,その際には良書のみを読むように心がけるべきであり,悪書については,絶対に読むべきではないということも記述されています。
   その後は、良書と悪書との具体的な峻別の方法や、良書の読み方、文書作成の考え方などについて主張をするといった構成となっています。